あの豆腐屋さんには確かに価値の創造があったように思う、あるいはただの郷愁

アラフォーの「アラウンド」の意味が限りなく薄くなり、もっと明快に「フォー」の足音がヒタヒタと聞こえてくる年齢になってきたゴロドクです、どうも。

20代のときとかあんまりなかったんだけどね、30代も半ばを過ぎてくると、突然子供の頃の記憶がふとした瞬間に何の脈絡もなく突然蘇えったりするすることがありまして。いやフラッシュバックとか、特に脳に障害があるとか、そういうことではないと思うんだけど。

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専門店だったからこそという

今朝突然思い出したのは子供の頃近所にあった豆腐屋さんのこと。もちろん専門店。裏の作業場で作った豆腐を、店頭の水槽に入れて売ってるアレね。30代とか40代の人は知っている人も多いかもしれませんね。

その豆腐屋に行くといつも作りたての豆腐を買える、当たり前ですけど。店の名前はなんだっけかな、「増田さん」だったかな?

店の戸を開ける(横開きのガラガラいうやつ)とふわ~っとなんか匂い(「香り」じゃないんだ、「匂い」だ)がするのね。あれ多分大豆を蒸すか煮たときの匂いだと思うんだけど、あとそれに油揚げ揚げたと思われる香ばしい匂いが混ざっててね、なんかそれがもの凄い好きでした。

北海道の冬のクソ寒い中、母親に連れられて一緒にテクテク歩いていくとさ、戸を開けて入ったときのあの暖かさと匂い、一種の快感だったような気がします。

豆腐頼むと店の人が、豆腐すくう道具、あれ名前わかんないんだけど柄の短い鍬みたいな専用の道具で豆腐を目の前の水槽からすくってね。

パック売りとかじゃないから当然器とかないんだけど。ボール持ってけばボールにも入れてくれるんだけどね、持ってかないと竹の皮薄く剥いだヤツでくるんで、さらに新聞紙とかで包んで渡してくれたんだよね、確か。

で、最後にそれをビニール袋かなんかに入れて渡してくれるんだけど、乱暴に扱うと当然崩れるじゃないですか。豆腐だから。母親に「あんたこれ絶対に崩すんじゃないよッ!」っていわれて手渡されると、なんかひと仕事任されたみたいでちょっと子供心に誇らしいというか、そんな大げさなもんでもないんだけどちょっと嬉しかったかもしれない。

そういう繊細(?)な品物だから豆腐屋によるのは他の商店での買物を済ませて一番最後だったなぁ、必ず。あれいつ頃の話しだったろう、小学1年生とか2年生頃だったのかな。

今はもうそのお店はありません。店やめたのは多分私が小学校卒業する前だったと思います。儲けが薄かったからなのか単に店主が年老いたからなのか、店を閉めた理由はわかりません。別の人が作り方教えてもらったらしくちょっとはなれた別の場所で店開いてた時期もあったんだけど、結局その店も数年でなくなっちゃって。

時代は変わる

で、そうこうしてるうちに実家の近所にも大手チェーンのスーパーとかも出来て、あるいは農協系列のスーパー(A-COOPってやつ。今はなくなった)も昔からあったから、別に豆腐くらいどこでも買えるんですよ。普通に見かけるパックに入ってる豆腐ね。

だから別に豆腐屋がなくなって困るなんてことは何にもないわけで。

ただこうして何年も経ってふと思い出せば、あれってなかなか貴重な体験だったんじゃないかなとか思ったりします。あの匂いとか温度とかお店の人の所作の視覚とか、感覚の部分てぜったい「豆腐屋」じゃないと味わえないわけで。

こういうご時世だからネットでお取り寄せだって不可能じゃないだろうし、遠くのお店探せば車で買いに行くことも出来なくはない。

ただ生活の一部としての「豆腐屋さん」って随分遠くの世界へ行ってしまったような気がします。

そういや実家の近所でやってた鮮魚とか野菜売ってる市場みたいな商店もなくなっちゃいましたね。あの魚屋さんも新聞紙で魚包んで、マジックで値段とか書いてたなぁ。

まとめ

とまぁ突然思い出して郷愁にふけりながらつらつら書いた次第。だから別にこの話にまとめもへったくれもないんですがね。

手作り豆腐で美味いもんだから当然それに高い貨幣価値がつくということもありますが、そこで体験できたことってそれ以上の価値があったような気がします。まぁオッサンの戯言です。「お店が好きになる」ってのは多分こんな感じ。

別に工場で高効率化、安くてたくさん豆腐作ることが悪いとは思ってません。スーパーに行けばいつでも手に入るってのは、それはそれでありがたいこと。

ただ私のように製品そのもの以外の部分に価値を見出すような人も(多分少なからず)いると思うので、お商売する人とかものづくりに携わる人はそういう人間もいることを頭の片隅においておくと良いかもしれませんね。価値ってなんだろうね。難しいね。

そんなこんなで今日は湯豆腐でも食べたい気分。北海道の朝晩はまだまだ寒いね。それじゃまた。

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