震災の日なので橋が落ちる話しておこう

震災の日ですね。今日出社したら朝イチでタイムリーな回覧まわってきたのでメモっときます。

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一義的には施工者の問題、ただし

報道発表資料:落橋防止装置等の溶接不良について – 国土交通省

昨年の杭打ち不正事件の陰で全然目立ってませんでしたがこんな話がありました。昨年の8月なので結構前の話ですね。今日回覧回ってきたのは地方測量設計業界での周知徹底とか当事者の処置関係とかそういう感じです。簡単にまとめておきますが

  • 橋梁の耐震補強工事で「落橋防止装置」の製造過程で不正が発覚
  • 溶接施工の手抜きと、半ば意図的な検査不合格品のスルー
  • ほかの工事調べたら不正・不具合の疑い有るのが全国で947橋

詳しい経緯は「落橋防止装置等の溶接不良に関する有識者委員会」で確認どうぞ。

道路:落橋防止装置等の溶接不良に関する有識者委員会 – 国土交通省

「落橋防止装置」というのは地震時に橋梁の上部構造(橋の骨組みとかその上のコンクリート版とかその上の舗装とか全体のこと)が落下するのを防ぐ装置です。そのまんまですね。

昔はこういうのなかったんですが、阪神大震災の過酷な被害状況を受けて、それ以降橋梁の耐震基準が見直されたわけ。

で、もう作っちゃって使ってる橋は簡単に架け替えられないので、最低限落橋だけは防ごうぜーということで「落橋防止装置」みたいのが考案されました。骨組み本体の補強も含めて「耐震補強工事」として全国的に実施されるようになりました。

落橋防止装置の具体的な形知らない人はとりあえずググってみてもらうとわかるとおもいますが

落橋防止装置 – Google 検索

金属パッドを下部構造(コンクリートでできてる橋の受台な)と上部構造に取り付けてケーブルでつないで落ちないようにするとか、もっと直接的に下部構造に取り付けたパッドが上部構造の一部にひっかかるようにして落ちないようにするとか。そんな感じです。わりと単純なもんです。

溶接不良があると何がまずいかというとこの金属パッドが本来耐えられるべき荷重以下でぶっ壊れて橋落ちちゃうよ、ということ。

報告書にもありますが、上部構造と下部構造は支承という部分を介して接続されており、通常はここで荷重を受け持つのである程度の震度(というか荷重)まではここで耐えます。そういう意味で落橋防止は確かにフェイルセーフ的な意味合いが強いですが、まぁ東日本大震災見ちゃったらアレだよね。そもそも阪神大震災でアウトだったから補強しよう、という話なわけで。

不正・不具合の構図としてクローズアップされるのは

  • そもそも溶接が下手
  • 溶接できるけどめんどくさい(あるいは工期に間に合わない)ので手抜き
  • 検査会社・検査員が作り手となぁなぁ
  • 発注者の立会の時は大丈夫そうなとこだけ見せようぜ

といったところだとは思うんですが、発注者(つまりお役所、国交省なり地方公共団体の建設部局)もさー、ほんと予算年度で動いててどう考えても間に合うわけの無い工期設定したりとか、そういうことも少なからずあるのではないかと感じております。

施工者もヤバそうなのには手上げないようにはするんでしょうけどね、入札参加者いなさすぎて裏で「おいお前とお前とお前んところ手上げろよ」なんてね。そんなことがあるかどうかは私は知りませんけど。知りませんけど。

どうあがいても間に合いそうもないので当初から工期延長願い出てもつらっと「いや年度またげないから絶対またげないから」とか言ったりね。言ってるかどうかは私は知りませんけど。知りませんけど。

ちなみに検査器具や計測器の使い方あんまりよくわかんない監督員(発注者側の担当者ね)がいることは大変よく知ってます。私も昔某鍛冶屋で品管にいましたので、立会で「レベルってどうやって見るの」とか「膜厚計ってどうやって使うの」ってよく聞かれました。ノギスの副尺はほとんどの人が読めない。あと関係ないですけどメット持参しないやつなんなの。

まぁ聞く人はまだ良心的な方です。基本的に計測作業は施工者側にお任せで読み上げた数値を検査表に書き入れたりチェック入れてくだけの人も大勢います。要するに全部机上だけなんですよね。紙の管理記録と写真とハンコと、あと完了届が工期までに提出されるかどうか、という。

第三者委員会では通常抜き取り検査だったところも含めて全数検査にしましょう、みたいな提言がなされているようですが、本質はそこじゃないんじゃないですかね。

なんか話がずれてしまいましたが、上記の947橋は国交省の直轄道路と高速道路会社の道路5,400橋(2015/12/01現在)に対する数で地方公共団体の管理する橋梁は含まれておりません。

そういうことですので大地震が来たらあなたの通勤路や自宅周辺の橋は落ちると思っておいてください。落ちるかもしれないし落ちないかもしれないという時は落ちるものと考えておく方がいいでしょう?

陸上交通寸断されますので自宅にたどり着けないし救助も来ないし、復旧作業にもこれないわけです。つまりそのエリアは当面世紀末乱世ということになります。救世主は、たぶん来ない。がんばって覇者目指してください。

基礎杭悪くて建築倒壊も相当ダメダメですが、地域全体にかかわるという意味でもっとヤバそうな話だと思いますが皆さんどうお感じでしょうか。んじゃまた。

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