当ブログのはてぶ人気記事をサイドバーに掲載し始めて数ヶ月。上位10本のうち5本が「宇宙一わかりやすいレシピシリーズ(以下宇宙一シリーズ)」の記事が入っていまして、多くの方に読んでいただけたのは読者の皆様に感謝申し上げたい次第。
当初は単発ネタで終わる予定だったこのシリーズ、今回はなぜ人気になったのか分析などをしてみたいと思います。
誰にとって「わかりやすい」のか
レシピネタなどわざわざここのようなマイナーブログ読まなくてもクックパッドを見ればそれこそ星の数ほどのレシピを探せます。「宇宙一シリーズ」とかぶってるレシピもたくさんあります。
レシピの簡潔さで言えば圧倒的にクックパッドのほうが勝ってますし、もちろんアチラのほうがはるかにメジャーですしおすし。
ではなぜクックパッドではなく「宇宙一シリーズ」を読む層が存在するのでしょうか。
クックパッドと「宇宙一シリーズ」の決定的な違いを一言で言えば「恐ろしいほどの冗長さ・くどさ」でしょう。材料の一覧を載せるのは当たり前ですが、料理を好んでするような人が当たり前に持ってるような道具についてまで何が必要か事細かに説明します。
調理途中の写真もかなり多めに掲載してます。粉ものを篩う写真なんてのまで載せることもあるし、煮詰めのあるものは煮詰めの前後の比較写真も載せたりします。
写真以外にも「こうすると失敗しやすいよ」とか「この工程途中の状態不安に見えるけど次の工程でこうなるから大丈夫だよ」といった解説も比較的多く説明を入れています。特に「失敗を先回りして教える」ってのが重要です。
これらは多少料理をやってる人にとってはほとんど知っていることであって必要のない内容です。
裏を返して言えば「宇宙一シリーズ」を好んで読んでくれる人は「料理の『り』の字も知らないけど興味はある」という人だ、ということになります。同じレシピであっても読む人によっては必要とする情報の量・レベルが全然違うのです。
つまりその記事を読むであろう対象を明確に絞って記事を書いているからこそ読まれている、と言うことになります。
ブログ記事は「わかりやすく書くべし」というのはよく言われることですが、この「わかりやすい」というのは読む人によって全然違うのです。単純にわかりやすい=端的に書く、ということではないんですね。
実用記事が実用記事たりえるとき
実は先日「ホームページを作る人のネタ帳」の
という記事に「宇宙一シリーズ」の一記事を紹介していただきまして
宇宙一シリーズの分かりやすさときたら。
どこにでもあるレシピを、料理すらしたことのない人向けに解説された記事。読み終わるのに時間がかかるのが特徴。しいて言うなら、もこずキッチンの超絶素早いレシピ紹介と対極にあるスタンスですね。
「読み終わるのに時間がかかるのが特徴」ワロタwいや、そうなんですよ、上に書いたとおり「ガッチリ説明読みたい人」向けに書いてるから時間がかかるんです。
「切り口」ということをテーマにこんなお褒めの言葉?を頂きましてありがたいですがそれ以上に
お家でクレープつくって一人で喜んでます。
これこれ。実用系やTips記事書いて嬉しいリアクションはその記事が読んでもらえること以上にこうやって実際にチャレンジしてみてくれるってのが一番嬉しいです。思い返せば「宇宙一シリーズ」初期の
これ最初に記事書いた後、フォロワーさんが実際にケーキ作ってツイッターで報告してくれてあとから追記で転載させてもらった経緯があります。スイーツ系のネタも主に女性フォロワーさん中心に「作ってみた」報告をいただくことがあってそういうのがホント嬉しいんですよね。
つまり実用記事が実用記事として成立するには
書きたいテーマがある→それを必要としているターゲット像を絞る→そのターゲットにとってマッチングする記事の書き方をする→読んでもらった上で実際に試してもらう
という流れまで想定する必要がある、ということを踏まえて記事を書くと漠然と書くのに比べてずっと良い仕上がりになるし、読んだ方としても「これは良かった」と拡散されやすくなります。
とかくPVというものを意識すると「万人向けのわかりやすい記事」を書きたくなるのか人情ですが、そうじゃなくてもっともっと具体的な読者像というものを考える必要があるってことなんでしょう。
まとめ
マーケティングの世界ではこういうのを「ターゲティング」っていうんですかね。
物売りの世界でも数多くばら撒いて売上だけあげればいいかというとそうではなく、誰にとって必要な商品あるいはサービスであるかということを明確にしないと利益をあげるというのも難しいです。そうでないとただの価格競争になっちゃいますから。
今回のはあくまで自己分析ですけど、おそらくそんなに大ハズレではないはずです。ネタとして良い素材を扱ってるはずなのになぜか反響がない…という人はもう一度読者の顔を思い浮かべる、その人が何を欲しているかと言うことを考えると、書く人も読む人も今よりずっとハッピーになると思うのですがいかがでしょうか。
んじゃまた。
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