最近読んだweb界隈の方のブログ。web上でデザインをするときに考慮すべき「読みやすさ」について書かれたエントリ2本ですが、これを通じてブログで人になにかを伝える、ということについてちょっとだけ考えてみたいと思います。
【YATのBLOG】Web制作における文章の可読性について考える
ツイッターでフォローさせてもらってるwebデザイナー、YATさんのブログから。背景と文字色、文章の段落構成、フォントのサイズと行送りの調整などについて書かれています。
【バニデザノート】ホワイトスペースを使ったウェブデザインの考え方
http://vanidesign.blog.fc2.com/blog-entry-16.html
フリーランスのWebデザイナー、vanillateさんのブログから。文章や画像間の余白の取り方でリズムやテンポが生まれ読みやすくなる、というようなお話しです。
2つのエントリを読んで、明言されていないが共通して根底にあるものに気付くべし
いずれのエントリとも実際に読んでいただくとわかりますが、私のような素人にもよく分かるように易しく書かれています。実際に文章を目に見える形にする上で考慮すべきポイントと、それをいかにコーディングで実現するか、ということまで書かれています。プロの方の書かれていることなのでテクニカルな側面で私から特に言うことはないです。
ここで注目すべき点はいずれも「何らかの情報を伝えたい対象が存在している」ということが、エントリ中では明言されていないけれども暗黙の前提として存在しているということです。
「はぁ?当たり前でしょ?」と石を投げつけられそうな気もしますが、「書いた文章を読むであろう人」を書き手のほうが意識できるかどうかというところに、ちょっと厳しい言い方をすれば「書きっぱなしの便所の落書き」と「有益で利用価値のある文章」の差が生まれるのだと思います。
ブログを書く理由は人それぞれ色々あるけれど
ブログの発祥をたどると個人がウェブを閲覧していて気になったことをクリップしてコメント交えて公開する、ということが始まりだそうです。今日ではより広義にウェブに限らず書き手の興味のあるジャンルについてまとめたものや個人の日記的なもの、備忘録的なものも含めてブログといいますね。ゆえに個人ブロガーについては必ずしも情報伝達がブログを書く第一義的な目的ではない場合も有ります。しかしながら、そういう人でもホンネの部分には「自分の心情を人に理解してもらいたい」「自分と同じ趣味・感性を持つ人に共感を得たい」という部分も少なからず有るのではないでしょうか。
ブログは自宅でノートに日記を書くのとは違い、書き手のスタンスによらず書いた瞬間に広く公開をされてしまいます。これを意識して書くことでより大きな反響・共感を得られ、あるいは新たな交流が展開する可能性もあるわけです。せっかく書くなら読み手の顔や心境を想像しながら文章を書くことで、あなたのブログにより大きな価値をあたえるということ出来るのではないでしょうか。
私が気をつけている「伝える」ためのポイント
ブログの書き方も様々なスタイルがあるので「これが正解」というのはもちろんないんですけど、私なりに気をつけている点というと以下のようなものです。
エントリのタイトルは内容がわかるように、かつ端的に
「名は体をあらわす」という言葉があります。読み手が一目見てその記事が何について書かれているか判断できるのがよい、ということです。説明的過ぎて冗長だと瞬間的に内容を判断できないので読み手の興味を引く力が弱まるかもしれません。一方個人ブログなどでは単語単位でエントリタイトルを書いているスタイルを良く見かけます。見た目にスタイリッシュな印象を感じなくもないですが一体なにについて書いているのかわからないことも良くあります。
文体に統一性を
「です・ます調(文語)」と「だ・である調(口語)」が入り混じっている文章も時々見かけますが、これも読みにくくなる原因の一つです。内容に一貫性があっても文体が乱れているせいで、読み手からすると書き手のテンションや心情を捉えにくくなるということです。私の場合は原則文語調で、体言止め(句点の直前が名詞・指示代名詞で終わる書き方)を時々使う程度です。これは特段丁寧な言い回しをしようということではなく、口語調だとクセがでやすく読み手の好き嫌いがはっきり分かれてしまうからです。
同一の意味をさす単語は出来るだけ統一
ごく単純な例で言うとひとつの文章内で一人称を「私」「ウチ」「俺」などと複数使い分けないこと。あるいは「マグカップ」と書いた後でそれが途中から「マグ」「カップ」など別な表現になるのもよくありません。読み手の混乱を招きます。
専門用語は出来るだけ使わない
特定ジャンルのエントリを書いているときは少なからず専門用語を使わざるを得ない場面も多いですが、できるだけ平易な言葉に言い換えるか、簡単な説明を付け加えるのがよいと思います。読み手は「あ、これ意味わからない」となった時点で一気にそこから離脱したい気分になるものです。
適度な区切りをいれる
長文の場合には特に注意したいことで前述のYATさんのエントリでも触れられていますが、区切りのない文章を読むのは大変疲れます。これは私の場合ですが、多少の前後はありますが概ね200~300字程度を一文の区切りの目安としています(=これくらいの字数でpタグのひとかたまりとし、ボーダーやパディングでホワイトスペースを調整する、ということ)。また、数文を一単位として中見出しを入れるようにもしています。
箇条書きを有効に使う
複数項目を列挙する場合には一文でダラダラと説明せずに箇条書きにしています。読み手がいかに一目でポイントを押えられるか、というための配慮です。
他にも細々としたことはありますがこんなところでしょうか。ちょっと国語の授業みたいになってしまいましたね、すみません。実際、考えれば授業で教わったような至極当然のことばかりのようですが、この辺をしっかり意識してないとなかなか読み手に伝わりやすい文章は書けないものです。
ちなみにさらにブログの書き方について深く知りたい、掘り下げたいと思ったら私の知る限り「ホームページを作る人のネタ帳」さん(特にこの辺のカテゴリ)が一番参考になると思うのでぜひご一読ください。
つまりなにが言いたいかというと
結局のところ、ブログは一見すると一方的な情報の発信に見えるけれども実はそうではなく、誰かと会話をするのと同じようにちゃんと相手があり、それゆえ表現の仕方一つで相手の心模様も変わり伝わる伝わらないが決まる、コミュニケーションの一形態である、ということです。
ついでに今回のブログを書いた理由を補足しておくと、今朝方ツイッターでYATさんが「テキスト書くのは得意なほうではない」とおっしゃってて、それをみて私は「あのクオリティでテキスト作成得意でないなんて言われたら私なんてトホホ」と思い、あらためて、じゃぁ私自身がどんなことを考えてブログを書いているのか、ということを自分なりにまとめてみたくなった次第です。
そんなわけで決して私自身も文章作成が得意なほうではないですが、これからも相手に伝わるブログを目指して日々勉強を重ねたいと思います。
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