年度も切り替わって一ヶ月ちょい、新しい環境でのびのびと頑張っているか、就活頑張りすぎて燃え尽き症候群か、新入社員の皆様以下がお過ごしでしょうか。万年五月病のゴロドクです、どうも。
今回は過酷な無休時間外労働で自殺者まで出た挙句、会社のトップがそれを開き直るようなツイートをして一躍ブラック界でもトップクラスに有名になったアノ会社が、新入社員に送った訓辞なんてのを見つけたので紹介してみたいと思います。
いかにもブラックらしい訓示
ではさっそく問題の訓示を紹介したいと思います。
仕事。あなたの人生の仕事。
あなたの指紋が残った仕事。決して妥協しない仕事。週末を犠牲にしてでも取り組みたい仕事。○○○ではそんな仕事をすることができる。無難に人生を過ごしたい人はここには来ない。一番深い所まで泳ぎたい人だけがいる。
仕事で何かを成し遂げたい人がここにいる。
何か大きなこと。他の場所では起こりえない何かを。
– ○○○へようこそ。(※引用外注記:○○○は社名)
恐いですねー。
一見してとても立派なことをいっている様にも見えますが…こういう「熱い」訓示奮い立つ人がいることも否定はしませんがね。
「週末を犠牲にしてでも」ってつまり、従業員の私的なものより会社と業務を最優先せよ、ってことですよね。
社畜として生きることを喜べという。
無難に生きることが暗に悪であると示唆するという。
業務の実態がどうであれ、会社の業務は立派なことであると思い込ませるという。
そして、この会社だけが特別であると思い込ませるという。
仕事が全てな訳ありません。そして会社など他にごまんとあります。
全てが自分の会社と業務が中心であるなんてただ驕(おご)りです。
まして人の命を自ら絶つところまで追い込んでしまうなどあってはならないことなのです。
いいですかみなさん、色よい言葉に騙されてはいけません。見かけと実体とは常に違うものです。
もうこれ以上過重労働で人の命が失われたりしないよう、ブラックカンパニーを糾弾しましょう。
もうすでにわかってると思いますが
さて、この会社がどこかお分かりですか?
すでに別のブログを読んでもう正解をご存知の方も多いでしょう。
その会社とは…ワタミ?
ブッブー残念、ワタミじゃないですよ。
はっきりいえば引用文以外の前後の文はワタミっぽく見えるように私が適当にでっち上げただけです。ワタミの訓示でこんなことが言われた事実は一切ありませんよ。念のため。
じゃ、本当はどこの会社の話かと言うと。
appleです。apple。
ものの見方なんて見た人間が見たい様に勝手に解釈する
本当の元ネタはこちら。あ、既読の方はスルーしていただいて結構。
Appleが新入社員に初日に渡すメッセージ | SEO Japan
ワタミだとブラックなメッセージに見えてアップルだと途端に素晴らしいメッセージに見えるという、なんとも言えないこの違和感。
でこの記事に関して
アップルが新入社員に渡すメッセージがブラック企業みたいな件 : アゴラ – ライブドアブログ
こんな風に黒い労働実態を体裁だけ良く見せかける企業イメージで覆い隠すことについて警鐘を鳴らす人もいれば
「週末も働け」というアップルが必ずしも「ブラック」でない理由 | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
いやいやアップルは違うんだよ、日本と米国では企業風土が全然違うからそこだけ取り出して読んじゃダメなんだよ、と反論する人もいるわけで。
じゃどっちが正解なんだって、そんなことアップルの中の人にしかわからんので外野がアレコレ考えても仕方のないことなのです。
ただね、元記事を読んだ(おそらく多くが日本人であろう)人たちの反応はね
な、怖いだろ?記事公開で2日ほどであっという間に1万いいね!
ものの見方・解釈は見る人間それぞれでいいし、思想の強要は出来ません。
でもappleであるというだけでこの内容にもかかわらずいいね!してる人だって少なからずいるだろう、というのは想像に難くない。そしてFBでのコメントは肯定的に受け入れるものがほとんどです。
一方でツイートやはてぶコメでは否定的な意見(本記事のように「appleとワタミを入れ換えたら途端に…云々」)も有ったりするのですが、積極的にこうしたコメントを寄せる人間ははてぶ数やツイート数を見ても圧倒的に少ないんですよね。
まとめ
結局何が言いたかったかよくわかんなくなってきましたが、ある一企業の印象についてその実体を知らなくてもやいのやいの言う、しかもかなりバイアスのかかった方向に流されるという日本人の国民性が、ネットを通してみると極端にデフォルメされて見えて面白いなってのと、それによって黒い企業実態もある意味で企業が自主的にそれを隠さなくても社会風土がそれを隠すというかかえってそれを助長することもあり得るということがすげぇ怖いなーと思った次第です。
こういう風土は多分当面は変わらないんだろうなぁと思いつつ、それを踏まえたうえで会社というものに依存しない、個人が生きて行く術というものを個人の責任において真面目に模索していかないといけない時代なんだろうな、きっと。それじゃまた。
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