平時のうちに備えるのが危機管理 - 今チェックしよう非常持ち出し袋

雑談ログ

本日は2011年11月11日、東日本大震災からちょうど8ヶ月経ちました。被災地以外ではだんだんその記憶も薄らいできている感もありますが、平時のうちに備えるのが危機管理です。週末の休みにかけて被災地に思いをはせつつ、非常持ち出し袋の中身についてチェックしてみてはいかがでしょう。

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リュックサック/ザック

まず非常持ち出し品を入れる袋ですが一般的によく使われている20L、大きくても30L程度のザックが良いでしょう。「ザックは中身を使うまではデッドウェイト」ですので、間違っても山岳用の50Lなど大きいものは買わないでください。

ザックいっぱいに荷物を入れると一般的にはザック容量の1/3~1/2くらいの重量になるといわれています。30Lのザックなら10kg~15kgくらいですね。

中身を入れる袋は容量が大きいほどよさそうな気がしますが、これを背負って徒歩で長距離を移動しなければならない(場合によっては走らなければならない!)ことを考えると一般人にとってはこのくらいが限度だと思います。

食料

食料・飲料は個人ごとに必ず携行すべきものです。家族やグループの分をまとめて1セットには絶対にしないで下さい。食糧を携行していない人がはぐれた場合に生存が極めて困難になります。

レトルト白米

1人2パック。1回に1/2程度の摂取で4回食べれます。調理済みなのであえて過熱しなくても食べられますが、開封後は衛生的観点から次の食事で食べきるようにします。

レトルトカレー

子供用の2食小分けに出来る物を2パック(4食分)。一般の物でもかまいませんが、子供用の方が一度に開封できる量が少なくて済みます。白米と組み合わせて1日2食にすると最低2日間は空腹をしのげます。初期の体力低下を避けるためにまずここから食べることにしましょう。

缶詰

サンマの蒲焼やツナ缶のようなものを合計で4缶。必ずプルトップで缶切り不要の物にしてください。開封したら食べきるのが原則です。

固形栄養食

カロリーメイトのようなもの、4本入りを2箱。開封してもすぐにいたまないので他の食料が尽きるまで残しておいてください。

移動中の糖分補給のために数個ザックのポケットに忍ばせておきます。子供はこれがあるだけでも気が紛れるでしょう。

インスタント麺

必要のないものです。絶対に入れるなとは言いませんが、水の消費を押える為には基本的に湯で調理せずにそのままかじることになります。ザックに余裕があるなら固形栄養食や缶詰を多めに持ったほうがいいです。入れるとしても袋麺で、カップ入りなどは論外です。

飲料

500mlペットボトルで4本。ザックに余裕があれば1,2本余計に持っててもいいくらいです。携行品の中では一番重量があるので、小さな子供には1/2~2/3くらいにしてもいいですが、まったく持たせないというのはダメです。飲用だけでなく怪我をしたときの傷口の洗浄など衛生的な処置にも必要となります。

スポーツドリンク・ジュース

「入れてはいけない」ものNo.1です。これを入れるくらいの余裕があるなら水のペットボトルを余分に入れましょう。

照明器具・情報収集

懐中電灯

夜間や日の届かない室内で必ず必要になります。小型のもので結構ですので耐久性を考えてプラスチックではなくアルミ合金などのボディのもの、消費電力を抑えてできるだけ長時間使用するためにLEDのものにします。避難開始が必ずしも日中とは限らないので出来れば各自1つは持ちたいところです。

ラジオ

小型のものでAM/FM受信できれば可。手動ハンドルで充電できるものならなおよいです。各自携行までは必要ありませんがグループで最低2つは用意します。

ソーラーライト

LEDが4つくらいついた小さなソーラー充電式ライトが500円くらいで売っているので、予備照明として各自1個持ちます。すぐに使えるようにザックの中にしまいこまず、ザックのジッパーの持ち手などにぶら下げるなど保管時から光の当たる(薄明かりでも結構)ようにしておきましょう。

情報通信端末

ガラケー・スマフォなどは平時に常用しているので普通非常持ち出し袋には入れませんね。必要なのは充電ケーブルです。電池交換式の充電器とセットで用意しておきます。

器具・機器の電源

これらの器具・機器に必要な電池を濡れないようにジッパー袋に入れておきます。使い回しがきくように必ず単1だけ、とか単3だけなど使う電池を統一するように機器を選んでください。

最近の非常用器具として電灯・ラジオ・手回し式発電器にケータイの充電ケーブルが一体になったものもありますが、電源部分が壊れると全ての機能が使えなくなってしまうので必ずしもお勧めはしません。

衛生関係

常用薬

持病を持っている方で薬を飲んでいる方は必ず数日分(出来れば1週間~2週間程度)の薬を用意します。必要な方が個人携行します。

感冒薬・腹痛止め・絆創膏・消毒薬

多量に必要はありません。市販品がそれぞれ1箱あるいは1つあれば十分です。

ガーゼ・包帯

これも多量に必要はありませんが、ガーゼ数枚と包帯1巻程度を用意します。

マスク

非難所集合後の感染症予防のために、20枚パックになったものを1箱携行します。

熱さまし用のジェルシート

これも10枚パックくらいのものを1箱分用意しておきます。

ボディソープ

旅行用の100ccくらいのものを1つ。手洗い・洗顔が必要なときもこれで済ませます。

衛生関係でここまでのものについては、常用薬以外は5人ぐらいまでのグループならグループで1セット用意し、○○さんは薬品、マスクは△△さん…など分散しておくと、万一誰かがはぐれた場合でも全ての衛生用品を一度に失わずに済むのでリスク逓減に繋がると思います。また箱入りのものは箱から出してジッパー袋にいれ、空気を抜いておくと減容になってもてる物品を増やせます。

ポケットティッシュ・ウェットティッシュ

何かと使うティッシュです。できるだけ多く入れておくに越したことはありません。個人携行。まとめると邪魔ならばらして荷物の隙間に入れます。ウエットティッシュはプラ容器のものは邪魔になるのでポケットティッシュサイズのものにしましょう。

歯ブラシ

各自1本携行。ホテルに泊ったときのあまり物などでもよいです。歯磨き粉は不要です。

生理用品

女性の方は必須ですね。これは個人携行とします。

紙おむつ・お尻拭き

小さい子供のいる家庭では必須です。ジッパー袋に入れて濡れたりしけったりしないようにしておきます。

衣料等

基本的に非常持ち出し袋の中には衣料は入れませんが最低必要な下記のものだけ入れて各自個人携行とします。防寒用の上着と帽子を1組用意してザックのそばに保管しておき、非難時にそれを来て出発するようにします。

雨合羽

キャンプ用などの小さく折りたためるものを1枚。

下着

1、2枚を折りたたんでジッパー袋に入れておきます。未使用の清潔なものなら切り裂いて消毒の患部清掃やあまり大きくない傷の止血などにも使えます。

その他の用具等

軍手

各自2双ずつ携行。ちょっとした作業のときに必要になります。もちろん防寒としても使用できます。

ポケットアーミーナイフ

いわゆる十徳ナイフです。荷物にならないので出来れば個人携行したいところです。ナイフは物を切ったり削ったりする以外に食事のときのフォークの代わりに、ハサミは爪切りの代わりにもなります。

ライター

暖をとるのに必ず必要になります。着火マンなどよりも一般的な100円ライターが着火が確実です。これも荷物にならないので出来れば個人ごとに携行しましょう。マッチは濡れると一発アウトなので不可です。

新聞紙

着火時の火種、寒いときに衣服の中に巻いて防寒など用途は多様です。朝刊2部程度の量を個人携行します。ザックに入れるときは折りたたんで背中側に入れておくと邪魔にならずクッション代わりにもなります。

ガムテープ

布テープをグループ内で2巻ほど。紙テープは重ね張りできないうえ、マジックで記入も出来ないので不可。四肢骨折時に添え木の固定、緊急止血、マジックで文字を記入して緊急用のメッセージボードなどに使います。

筆記用具

鉛筆・ボールペン・中・太字両用のサインペン・A6サイズメモ帳を1セット個人携行。メモ帳は土木業界で「野帳」と呼ばれる耐水紙のものだとベストです。

自分の氏名等を記入したカード

自分の氏名・生年月日(年齢では有りません、生年月日です)・居宅の住所・電話番号を記入したカードを携行します。マジックなどの消えにくいもので大きく見やすい字で書きましょう。書いたものはラミネートするかカードホルダにいれてできるだけ濡れないようにします。最悪あなたが意識のない状態で誰かに発見された場合、あなたが誰であるか識別するのに必要になります。

ホイッスル

単独行動時に誰かにあなたを発見してもらう、あるいは2次災害などにあって行動不能になったときに救助を求めるときに使います。大声で叫ぶのも5分もやってたらかなり体力を消耗します(実際やってみたらわかります)。値は張りますが山岳用などの堅牢で音量の大きいものがいいでしょう。

アナログの腕時計

緊急時には時間の感覚も曖昧になるので移動のぺース、食料配分のためにこれも持って行きましょう。日数表示のあるものはなお可。ちなみになぜアナログ時計かというとAM8:00~PM4:00くらいの間は概略の方位を知ることが出来るからです。この時間帯は時針を太陽の方角に向けたとき、文字盤の12時の指す方向が南になります。

現金

避難行動中は必要ないですが避難所生活になって以降に必要になる場合もあると思います。いくらまで用意できるかは各人の財力次第ですが、紙幣と硬貨、両方で用意しておくといいでしょう。印鑑と預金通帳も持つべし、と書いてあるサイトなどもありますがこれらは通常の生活でも使用するし、最低限としては現金があればいいと思います。まちがっても印鑑と通帳を取りに危険な地域に戻る、ということがあってはなりません。命あってこそですから。

備えよ、常に

以上、ネットで散見する非常持ち出し品一覧や私自身が用意している持ち出し袋の中身などをもとに解説もまじえて書き出してみました。特に大きな障害・2次災害に出くわさない限りこれで少なくとも3日間は生存可能でしょう。

解説内でも書いてますが、家族などのグループで行動する場合には個人携行不要あるいは重量的に全員がもてない場合でも、グループ内で少なくとも2人が同じものを持ち、はぐれた場合でも物品の損失を最低限にしてリスクを抑えるということが重要です。

いずれにしても災害が起こってから慌てても仕方ありません。こうして普通の生活が出来ているうちにすばやく行動できる準備をしておくことが大切です。

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