ダイソーのミノーモンスターを『本当に使える』ソルト用シンキングペンシルに改造する方法

釣り

魚が釣れない日として有名な増毛春の味祭りの日に間違って増毛港に行ってしまったごろどくですどうも。

だいたい毎年ピーカンでクソアツで水も澄んでる日が当たるし、瞬間的に地方町村としては絶対にありえない人口密度になるので、魚も人の気配感じて底に沈むか沖に行くんですかね?不思議です。

まぁ最近は増毛港も釣り人が増えすぎて常時プレッシャー高くなっちゃってますけど。

ちなみに港前の遠藤水産(港町市場)さんはフツーに良心的な価格で販売してるので、別にこの日じゃなくても甘エビもタコも(水揚げさえあれば)一般流通に乗った後の価格よりはお安く買えます。

あと活ホタテ欲しいときは増毛じゃなくて臼谷とか行ったら良いよ。これマメな。

それはさておき、今回は今まで敢えてあまり話題にしてこなかったダイソーの100円ミノー、「ミノーモンスター」の改造ネタです。

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター000

いわゆる定番改造だけでは済まない理由

もしあなたがこの記事に検索でたどり着いたとしたら、おそらく既に「リップ切って腹に穴開けて目一杯ガン玉突っ込んでエポキシ接着剤で充填封孔した凄く簡単に作れる」ミノーモンスター改シンキングペンシルを御存じのことでしょう。

判で押したかの如く同じ内容のブログ記事はいくらでもあるし、

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なんだったらようつべにもわざわざ製作解説(だけの)動画が上げられている。

私も同じものを作ってみました。そして使ってみました。

誤解を恐れず言うならば、

『残念ながらこのシンペンで、ソルトで爆釣するのはとても難しい』

リアクションで喰う魚の影が濃く、活性が高い場合には、もしかしたら爆釣するのかもしれません。

しかし、アクションを見せつつフォールで喰わすような釣り方で釣る魚は難しいのです。なぜか?

重心が後ろ過ぎるのです。フリーフォールではケツからほぼ真っすぐに、早く沈むのです。テンションフォールでも水平姿勢から45°すらキープできません。たぶん60°くらいで立ってます。

これフォール中に喰ってきたとしたら、よっぽど腹空かせてなんでも喰う奴だってことで、だとしたら、敢えてこの改造ルアーを使う必要もないわけで。

ソルトにおいてはリアクションで喰わすとなれば青物メインで、そうなるとメタルジグとかジグミノーの方が適してるでしょ?あるいはトップ系のプラグか。

シーバス?うーん、まぁそうなのかもしれない。しかし北海道ではシーバスは釣れないし、釣れる地域でもノーマルのシンキングミノーの方が適してると思いませんかね?

どういうルアーに仕上げたいのか

そんなことを踏まえた上で、また、ダイソーミノーモンスターがベースである前提で改造目標を挙げてみましょう。

  1. 本体シルエットそのままで重量増
  2. 移動重心は活かす
  3. スローでも泳ぎ、ある程度任意の深さでレンジキープしたい
  4. フォール姿勢はできるだけ水平に近く
  5. ゆっくり沈む

ケチってチープなことしないで高額な移動重心系プラグ買えよって言われそう。でも試行錯誤の結果、ミノーモンスターの改造でも実現できることが分かりました。

基本的な工作はいわゆる定番改造に近いのですが、ちょっとしたコツがあるんですよ。バランスがかなりシビアというか。

実際の改造手法は後で説明するとして、その前に改造目標の説明です。

①は当然ながら飛距離。もともとメタルジグやメタルバイブなんかよりボリュームも正面投影面積も大きいわけですから、できるだけ重量稼いで飛距離を伸ばし、サーチ範囲を広げたいという考え。

②はこの改造の核となる部分。飛行姿勢を考えると当然後方重心の方がいいし、かといって水平に近い姿勢で泳がせ、フォールさせるには後方重心のままでは当然ダメ。

あとラトルのカラカラ音は大事、すごく大事(これ後日談だけど昼間でもヤリイカ抱きに来るくらいの底力持ってるからねこのルアー)。

③と④はいくら重量増で飛距離が伸びたといっても、金属系ルアーに敵うわけもなく、じゃあどこで勝負するかというと結局動きの良さでしょ?という当然の帰結。

⑤は喰いのタイミング作り。ベイトとしての姿勢を保ちつつ、ゆっくり沈んでくれるほど喰ってくれると考えています。つまり泳ぎのヘタな根魚系も連中も対象魚としたいってこと。

100均ルアーに過剰要求ですか?いえ、実現可能です。ちょっとした手間さえ惜しまなければ。

どうせ作るんなら「安いのをしょうがなく使う」ルアーじゃなくて「釣れるからわざわざそれを作りたい」ルアーにしたいじゃないですか。

改造の素材に使うヤツ

ミノーモンスターにも色々バリエーションがありまして、まず潜水性でフローティングとシンキングがあり、サイズ(長さ)で9cm,11cm,13cmがあります。

それぞれの公称重量はこんな感じ。なお公称重量は付属のトレブルフック込みです。

  • 【 9cm】シンキング: 8g/フローティング 7g
  • 【11cm】シンキング:13g/フローティング12g
  • 【13cm】シンキング:23g/フローティング13g

基本はこの6パターンで、今回改造の素体につかうのはシンキング9cm、8gのものです。カラーバリエーションは

  • イワシカラー
  • ワカサギカラー
  • 茶金
  • 黒金

が店頭で確認できます。旧製品にはレッドヘッドもありましたが見かけなくなりましたね。ま、どうしてもレッドヘッドにこだわるんならリペイントすればいいんですけど。

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イワシカラーとワカサギカラーはそのまま使いたいぐらいいい感じの配色なんですよね。塗膜さえ強ければ…

ミノーモンスターそれ自体はミノーとしてよく泳ぐし潜ると思います。改造ありきで買ってくる場合はよしとして、手持ちから改造するときはどういうのを使えばいいかというと

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター001

こういう風に正面から見て明らかにリップの取り付けが曲がってるやツ。ミノーとしては1軍にはならないでしょうから改造して使います。

それと、ラトルが動かないものも。

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター002

後ろ側のラトルは移動するので頭を下げれば前に転がるし、

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター003

尻を下げれば後ろに転がります。塗装剥がしたものをサンプル用に用意したんですが、振っても正常なものより明らかにラトル音が小さい、もしくは音がしないのですぐわかると思います。

正常なのとラトルが引っかかってるやつを並べたのがコチラ。

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター004

上が正常、下が異常。頭を下げてもラトルが一個引っかかって移動しないんですね。こういうのも改造用にまわします。

改造作業

素体を選び終わったら改造開始です。

まずリップが不要なので取り外します。

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター005

ペンチで引っ張って、埋め込んである根元から抜けるのがベスト。しかし、最近私の当たりが悪い(良い?)のか、抜けない丈夫なリップが多い気がします。そういう場合は見えてる付根で切断していいです。

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター006

ドリルで穴をあけ、そこにガン玉を入れていきます。開口位置は

  1. 【前】リップのあったところ
  2. 【中】<リップとベリーにある固定オモリの中間/li>
  3. 【後】後方ラトル空間の一番後ろ

です。直径はすべて5mm。②③はボディ貫通して中の空間まで届きますが、①の元リップ部分は貫通しないので注意。たいていの場合ラインアイの埋め込み部分とギリギリ干渉するかしないかくらいの位置なので深さは4~5mmくらいになると思います。

そして中に入れるガン玉の大きさと数です。これでバランスが決まるので重要です。

  1. 【前】1号×1個
  2. 【中】1号×1個、2B×1個
  3. 【後】2B×2個、B×1個、1号×1個

入れる順序は書いた順序です。③の穴には元のラトルが入っていますが、これ穴から一番奥(一番前側)に残したままにします。

いれる順序も重要で、これは全体の重量バランスを取らなければならないことと、移動重心を活かすため後端に小さいガン玉を配置して絶対に引っかからないようにするためです。ですので、開口した時の削りカスなども中に残らないように注意が必要です。

増加重量は単純計算で

0.8g(2B)×3+0.55(B)×1+0.45(1号)×3=4.3g

となり、リップや開口部の重量減があるのでトータルで+4gくらいになっていればオーケーです。

この後封口をしていきますが、前方2つは固定オモリなので

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター007

エポキシ接着剤で単純に固めます。接着前にガン玉がボディー表面から飛び出てないか確認してください。出っ張っていたらペンチの先端や金槌などで軽く叩く・抑えるなどして形状を合わせておきましょう。

問題は後ろの封口です。エポキシ接着剤を使うのは同じなのですが、詰めたガン玉まで固定してしまわないように可使時間終了のギリギリくらいで粘度の高い状態で口を塞ぎます。ゆるゆるだとラトル空間の方まで垂れて流れてしまうので。

さらに、接着剤を塗布した後は中の空間が密閉されるので、手持ちから机の上などに置き換えると温度が下がって凹状になってしまいこれも塩梅が悪いです。なので

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター008

ある程度硬化が進むまで時々こうして握るか、頭の方をぬるま湯に漬けるなどして封口部が凹凸の無いようにコントロールしてやる必要があります。

手持ちにφ5mmのプラ棒とかがあればそれ使って埋めるのが手っ取り早いかもしれません。内側に出っ張らないように注意するのは同じですが。

改造作業は以上になります。

重量計測

9cmシンキングの元重量はコチラ。

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター009

6.9gです。そして改造後が

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター010

10.9g。素晴らしい。予想通りぴったり4g増です。

使用重量としてトレブルフック2つ付けた状態も計測しておきます。

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター011

12.3g。ベリーはミノーモンスターに標準でついてくるもの、尾部は標準でもいいですがここではジグロック/ジグベイト18gや28gに付いてくるサイズの小さいやつを取り付けてあります。

このバランスも凄くシビアで、当たり前ですがトレブルをやめてスイミングフックに替えたりどっちかだけ取り外したりすると全く挙動が変わってしまうので注意が必要です。

とはいえダイソールアーの標準フックはクロムかニッケルの装飾めっきなのでソルトではできれば使いたくありません。同サイズのちゃんとしたフックに替えた方がいいです。スプリットリングもステンレスのものに。

シンキング9cmの重量バランスはこれで確定ですが、11cmや13cmについてはまだ試行錯誤中なので引き続き調査検討したいと思います。

使い方など

こうして出来上がったミノーモンスター9cm改シンキングペンシル12g仕様。

スイミングは低速でローリングのみ、結構速いピッチでカタカタカタカタ…と動きます。中速ではウォブリング。若干ロールもしてるけどラトル音はあまり目立ちません。

高速でビュッと引くと素直に真っすぐ走ります。が、重量増も最小限なので浮き上がりも発生します。

中速以下で引いてるときにテンション抜くと後方重心のままなので尻尾を下げて沈みます。素早く軽く、トゥイッチ1回入れた後にすぐテンション抜くとラトルが前方に移動するので、水平姿勢のまま、ゆっくりと真下~微少前進しながら沈みます。これが私の求めていた動きなんですよ。

このとき沈みながらカタカタとローリングします。泳ぎたいけど力尽きようとしているベイト。そんなイメージです。これが定番改造の詰め込むだけシンペンではできないのです。ただの死んだ魚のようにしっぽから垂直に落ちていくのです。フリーフォールで使えてこそのソルトルアーだと思います。

キャスト性能は、空気抵抗となるリップが無くなったこと、重量増加したこと、移動重心は活きているので姿勢は安定することから、標準ミノーモンスターよりは飛距離が稼げるようになっています。

増加率はロッドの長さや硬さにも依存するので一概には言えませんが、5~15%程度の増加は期待していいと思います。ちなみに手持ちで言うと9ftMHのカッチカチのベイトタックルで全くバネが使えず40m行くか行かないかくらいしか飛ばなかったのが50mくらいにはなりました。

オマケ・アルミラッピング

以下本編と全然関係ない話ですが、最近は前回の塗装剥がしと今回の改造シンペンのコンボ後にこんな感じでアルミテープでラッピングして使うことが多いです。使ってるアルミテープはダイソー品です。若干厚みがあるのでこだわる人はホームセンターの厚みの薄いものを使うと良いと思います。

左右両面から同じようにアルミテープを貼っていきます。

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター012

ウロコパターンの部分も親指で押さえただけでしっかり定着出来ます。アルミは延性・展性が大きいので。

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター013

左右から張り合わせるので、はみ出した余剰分をカッターなどで切ると上下に継目ができます。

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター014

切り口がガタガタで多少汚くても、何重にも重なりさえしなければ問題ありません。このように

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター015

テープの細切りを作って重ね貼りし、綿棒等で押さえれば

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター016

きれいに仕上がります。あとはシンナーで軽く表面お掃除し(特にテープの糊分のはみ出し)、お好きに塗装してください。これは最近作った

使えるシンキングペンシルに改造されたミノーモンスター017

中字の蛍光ペンでドットレッドヘッド…ピンクヘッドにしたもの。ヒラメ釣りで出番がある予定です。しかし最近週末やること多すぎて釣りに行けるのかどうか…それが一番心配です。

まとめ

簡単改造もそれなりに考えないと自分の思った通りに動かないルアーになってしまうよってお話でした。定番改造のままがダメってわけではないですよ、念のため。私の釣りたい釣り方と違うってだけで。

トップ以外のプラグ系は水中の動き見えないけどそれをイメージするってすごく大事じゃないです?

これからミノーモンスター改造シンペンに挑もうという方は、できれば定番パターンとこの記事の改造方法のものと2つ作り、ラインを繋いで風呂場なり近くの小川なり用水路なりで実際に動かしてみて何がどう違うのか、じっくり観察してみてください。実際の操作と動きを何度も確認しないとイメージもできないですからね。

投げて巻けば釣れる、みたいなやつの対極にある、イメージして考えなければ釣れない、という感じですがそれゆえ大物が釣れた時の感激もひとしおなんじゃないでしょうか。

そんなことで今年も座布団ヒラメ目指して頑張ります。ショアだと10~15号のジェット天秤でこいつをトローリングするのも正直アリだと思います。ソルパラもまだ入魂してない(そもそも使ってない)のでそろそろね。んじゃまたー。

コメント

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