個人ブログ運営の目的は必ずしもページビューを稼ぐことではありません。仲のいいお友達同士で見せ合うというコミニュケーションツールであってもその人の目的次第ですからそれはそれで良いことです。しかし個人であっても数値目標を設定してブログを運営しようと思うならば、ただ放漫に記事を書くなぐるだけではアクセス増は望むべくもありません。
これからそういったブログを始めよう、または始めてみたけど一向にアクセスが増えないという人向けに、目標達成のために小手先のテクニック以前に理解しておいたほうがいいであろうポイントをまとめてみました。当ブログ1年の運営の結果を踏まえて。それではさっそく。
1.あなたは必要とされている
あなたが書く記事はこれまでのあなたの人生における経験や知見に基づいて書かれているはずです。
あなたの知っている知識は世間一般で広く知られており決して目新しいことではないかもしれません。しかしそれを知らない人も世の中にはたくさんいます。
あなたの目というフィルターを当してみたときに当たり前のことでも新しい切り口が生まれるかもしれないし、それを説明するためにあなたが噛み砕くことによってよりわかりやすい、あたらしいお手本になることもあるでしょう。
同じ事象・事物も見方によってとらえ方は大きく異なります。独創性のある記事とは単にエキセントリックなことではなく、「個」の違いによるあなたらしさが前面に出ているものです。
ゆえにあなたはあなたであるがゆえに必要とされているのです。
2.公開されて始めて評価される
ブログ記事を書いていると「ひょっとしてこの記事は全然面白くないんじゃないだろうか。全く読まれないんではないだろうか」と不安になることはよくあることではないでしょうか。
特にブログを始めたばかりだと読者の絶対数自体が少なく、PVやソーシャルにおけるシェア数といった目に見える指標が突然大きくなることはまずありえず「書いても評価されない」という感覚に襲われることがしばしばです。
しかしながら、例えばツイッターのようなソーシャルアカウントを持っていて記事を公開したことをツイートすれば何がしかのリアクションはきっとあるはずです。面白かった、感動した、全く賛同できない意見だ、読みにくい、適当なこと書くな、etc…たとえ数は少なくともそのような「評価」は記事を公開したからこそ始めて得られるものです。
「評価される」と書くといいことばかり連想しがちですが、決してそうではなくマイナスの評価も当然ありえます。しかしそれを恐れて「読まれなさそうだから公開しない」と公開をためらえばそのような評価を受ける機会すら失うのです。
あなたの記事の価値はあなたが決めるものではなくあくまで読者が決めるものです。マイナス評価があればそれをフィードバックして次の記事なりブログデザインなりに反映すれば良いのです。そのような改善は自分の内的な処理だけで絶対に不可能というわけではありませんがそれは遅々としたものでしょう。読者に指摘を頂いて小さな改善を積み重ねるほうがよほど効率的にあなたのブログの血肉を増やすことになります。
ゆえにあなたはためらうことなくその記事を公開すべきなのです。
3.書きたい記事と読みたい記事は違う
例えばあなたが新車を買ってそのレビューをブログに書いたとしましょう。
検索サイト経由ではその車種名をキーワードに、あるユーザーはあなたのブログにその車の実燃費が書いてあるのではないかと期待して読みに来ます。別のユーザーは加速性能やブレーキ性能のレビューを期待して。ディーラーでの価格交渉について知りたい人もいるかもしれません。
ここであなたの記事にその車の居住性と荷物の載せられる量しか書いてなかったら二人ともきっとがっかりしてしまいますね。
あなたがこの記事を書くきっかけとなったのが「この車の乗り心地最高(または最低)!」という感想からそれを伝えたかったとして、それ「だけ」を取り上げて書いても読む側の立場としては情報量不足でつまらない記事ととらえられることもあるでしょう。そしてそのようなマイナスの印象をもったユーザーは二度とあなたのブログを訪れることはないかもしれません。
ではあなたはどうすべきだったか。
自分がブログを読む立場だったらほかにどんなことを知りたいか?あなたが瞬間的に「書きたい」と思ったことにはさらに隣接する情報はありませんか?そしてそれについてあなたなりに、あなただから得たデータはありませんか?
その車種の乗り心地というテーマはその車種というテーマに包含されます。車種というテーマは自動車というさらに大きなテーマに包含されます。あなたのミクロな視点がどのような情報樹形図の末端を見つめて、枝分かれの手前で違う道を進むとどのような情報があるのか。人が読みたい、必要とされるような記事はあなたが書きたいことのとなりにあるのかもしれません。
ゆえに書きたい記事と読みたい記事の違いは常に意識されなければなりません。
4.タイトルと最初の数行は「試食」である
たった一つの記事ならば、SNSやソーシャルブックマークの利用が広がった現在ではいわば「まぐれ当たり」でヒットする可能性は常にあります。ではたった一つ人気記事を書ければそれで安定したアクセスが得られるかといえばまずそのようなことはありえません。
ユーザーがソーシャル経由で訪れた場合、即離脱しないユーザーならば多くの場合次にトップページへ遷移する行動パターンはよくあることです。さらに面白いことがないかどうかを探してくれているのです。そのときそのユーザーがトップページを覗いたときにその目を惹きつけるものがそこにあるかどうか。
多くのブログにおいてトップページには最新記事の一覧が並ぶことが多いでしょう。またその一覧では続き部分は伏せてタイトル、あるいはタイトルと本文の最初の数行だけが並びます。これはスーパーの店頭で行われる試食のようなものです。
安売りのチラシを見てスーパーへ買物をしに来るお客さんは試食が用意されている商品を買いに来るわけではありません。しかしたまたま通りかかった冷凍食品のコーナーで新商品の試食をやっていてたまたま試食したその商品を気に入って買うことがあるでしょう。
そもそも冷凍食品自体買いもしなければ興味もない人も大勢いる中、一度の試食から冷凍食品というカテゴリそのものにあらためて目を向けてくれる人もいるのです。それをきっかけに別の冷凍食品を買い始める人も。
これはあなたのブログにも同じことがいえるのです。「この記事面白い」から「このブログ面白い」とユーザーの心を誘導することはブログを運営する上で重要な方策です。
ゆえに雑多なテーマを取り扱うブログでも、記事のタイトルと最初の数行に人を惹きつける魅力を持たすことでリピーターを増やすことは可能なのです。
5.柱になるテーマをもつ
一方で検索経由のユーザーはかなりの確信を持って極めて限定されたテーマについて調べに来ています。自分自身が何かを検索する場合を考えればそれは容易に想像がつくでしょう。
検索経由のユーザーは一記事読み終えたあと、それを有益だと感じたらもっと直接的に関連情報を探します。ナビゲーション上の同じカテゴリページを見に行くのです。あるいは記事末に関連記事を紹介していればそこから別の記事を参照することも。
また同じカテゴリの記事数が多ければ多いほど一旦離脱しても再来訪の可能性は高まります。これは小売業にたとえるならば細かな商品まで在庫されたディープな専門店ということになります。ブログで言うと概要を書いた記事ではなく極めてピンポイントで深く掘り下げた記事がたくさんあるということです。
ブログは必ずしも専門特化型が成功するとは限りません。また専門的であればあるほど先行している他のブログのほうが読まれて後発はなかなかその域に達することは難しいです。
しかし専門店は店を開く地域を変えることで一定の顧客を獲得することもでき、また対象とするユーザーのレベルを絞ることで差別化を図ることもできます。チェーン展開するスターバックスに販売数と価格の勝負で太刀打ちできなくても、たとえばお店の雰囲気や豆の選択でその店でしか味わえない一杯というもので勝負することは可能です。そのようなお店は店主のうかがい知らない同好のコミュニティの中で口コミとなって広がることもしばしばです。
ゆえにトップクラスでなくともそこそこ自分のフィールドというものを持つ人は、一定の回転を生み出すことのできる地力あるブログを運営できるのです。
6.読んでもらうための最低限の準備する
自分の利用するブログシステムが一般の無料ブログレンタルシステムでもWordPressのようなCMSでも、人に読んでもらえるためにはそれなりの体裁を整えなければなりません。
私はビジュアルデザイン至上主義ではありませんが、あなたの利用するそのブログシステムのデフォルトの状態のままで運用していませんか?
例えばカレンダーのウィジェット。本当にあなたのブログの読者はそこから別の記事を参照しますか?あなたが有名人で日記書くだけで読まれるほどの人間でなければそれはユーザーにとって不要なはずです。
例えばブログ運営会社の付随サービスへの不要なリンク。ブログを読みに来てる人にゲームサービスやソーシャルサービスへの誘導は必要ないでしょう。
例えばメインコンテンツとサイドバーの大きさのバランス。どちらが主でどちらが従であるか、ページを開いたその瞬間にユーザーははっきりと判断できますか?ユーザーはあなたのブログサイトのどこに何が書いてあるかわからなくともブラウザの戻るボタンの場所だけはきちんとわかってます。面白い面白くないの価値判断以前に印象だけで去るユーザーも大勢いるのです。
ブログの体裁を変えるにはHTMLやCSSの知識が必要です。しかしとにかくユーザーに誤認を与えない、あるいは必要な情報へ誘導するだけの最低限の変更を行うのにはけっしてWEB製作に関する専門家が持つような深い知識は必要ないのです。いわゆる専門書の1冊でも買って必要な部分さえ読めば、あるいは本を買うことなくWEB上で情報を検索することですら十分用足りるはずです。その程度の努力を怠ったせいで本来得るべきアクセスを逃しているとしたら?
小売店でも開店前には駐車場や店内通路の清掃をし、陳列棚の整理もします。天井や陳列棚の端には必要な商品にたどり着けるように必ずといっていいほどサインが掲げてあります。それができてはじめてお客さんを受け入れることができるのです。
ゆえにわずかの学習の手間と時間を惜しまず、見るに耐えるだけの体裁を用意することはブログを運営する上では最低限必要な努力なのです。
7.地道に書き続けたものが日の目を見ないことにあせらない
スーパー型のブログでも専門店型のブログでも立ち上げの初動ではなかなかアクセスが伸びないのはごく普通のことです。あなただけが伸びないわけではありません。
また、そもそもブログの方向性自体どう向えばいいのかさえわからない人だってかなりの割合でいるでしょう。そういう時はどうすればいいのか。
万能の解決策などというものはありませんが、ひとつの答えは「とにかく書く」です。
日常で目に付いたもの、疑問に思ったことの調査、時事の話題や風俗、自分の感情の浮き沈み、どれ一つとってブログ記事のテーマにならないことはありません。自分がどの方向に行くべきか迷うのなら色んな道を試せばいい、ただそれだけです。
先に書いた通り書いた記事は公開さえすれば何らかのリアクションは必ずあります。そして自分が書きたいことと読者の読みたいことにはギャップがあることも、書き続け際すれば実感としてきちんと理解することが必ずできます。様々な道を試すことで自分が書くのに向いている、しかも需要のあるジャンルというのが徐々に見えてきます。ニーズとシーズの円が重なるところを見つける、と言い換えてもいいでしょう。
あるいは何度も繰り返し書く中であなたらしい文体や表現、記述のパターンというものも見つかるかもしれません。ノンセクションで様々な記事を書いていても、名前を伏せても文章を読んだだけでそれを書いたのがあなただとわかるような書き方になればそれはそれであなただけの特化されたフィールドとなりうるのです。
それもこれも実際に手を動かしてはじめて得られる経験値です。手を動かさない人の理屈より数十倍数百倍価値のあることなのです。数値の指標に表れなくても確実にあなたのブログ力のベースアップになっているのです。
そして蓄えられていった文章群はあるひとつの記事のヒットをきっかけに連鎖的に日の目を見ることもあるのです。ひとつのヒットを生み出すのでさえある種の幸運は必要かもしれません。しかしその可能性が一万分の一であるのを、千分の一、百文の一にするためにも数を書くという努力でカバーすることは可能なのです。やることは決して難しくともなんともないことなのに、しかしこれがなかなか誰もやろうとしないことでもあるのです。結果が出るまでに相応の労力と時差があるから。
地道で継続的な活動から小ヒットが出てベース読者が少し増え、そのうち中ヒットが何度か生まれ、ハンマー投げさながら遠心力で徐々に徐々に力を蓄えるがごとく大きな爆発に繋がるのです。
これを放棄していわゆる「人気ブログ」という高すぎる理想に一足飛びに近づこうというのはあまりにも無謀で現実的ではありません。
ゆえにひたすら書き続けることが一見遠回りに見えるけれども確実なアクセスアップに繋がるのです。
まとめ
めずらしくちょっとお堅い話になってしまいました。
ブロガーたるものが常に備えるべき100の心得という記事では100個目のオチのために99の前フリを用意したわけですが、ネタじゃないものをきちんと書き残しておいたほうがきっと誰かの役に立つであろうとあらためてまとめた次第。
あくまで私がやって経験してきたことがベースなのでもっと魔法のような方法があるかもしれませんが、現実的なところでこれらが初心者ブロガーが理解すべき重要なポイントであるというのが現時点での私の結論です。
2012年9月のブログアクセス報告【書き続ければ必ず成果は出ます】
ちょっと前にこんなことを書きましたがここ数日で単記事で1日10,000PV稼ぐ記事がでたり1,000はてぶゲットしたり、やっぱり日々の積み重ね侮れんなとあらためて実感しているところです。
んじゃまた。
【追記】
人気ブログを作るための具体的な方法についてはNAVERの方でまとめてますのでよろしければそちらも参考に。
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