『いじめ問題』が何故なくならないか皆わかってるのにね

大津の中学2年生自殺事件に関し、学校・行政・加害者家族の動きが明らかになるたびにいちいちクズ過ぎてもうため息しか出ないのは私だけではないと思います。

それに絡んで『いじめ問題』が何故後を絶たないのかという話をちょっとだけ。

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『いじめ』なんて存在しません

あまりにも酷い事件及び関係者の対応でモヤモヤしてたところツイでこんなトゥギャりが流れてきまして

「いじめ」を2手で覆す方法 – Togetter

「あーこれこれ、こういうことだ」とだいたい私の言いたい事が書かれていました。

つまり『いじめ問題』というのは学校における児童・生徒間のトラブル、それもかなり一方的な被害・加害の関係の総称であって、個別の事例についてそれを『いじめ』などと曖昧模糊とした呼称で呼ぶのはふさわしくないのです。

蹴られたり殴られたりすればそれは暴力・傷害事件であり、不当に金銭を要求すれば恐喝であり、言われなき中傷を受け仲間はずれにされるのであれば名誉の毀損であるのです。

それら個々の事例について特定の権威あるいは機関が『いじめ』であるかどうかを認定するなどというような性質のものではないのです。

学校や教育機関(そこばかりの責任ではないけど)はこれらの事件の被害者が生まれないよう日頃から教育・指導し、良好な人間関係を築けるようにするのが役目であり、事後においてそれが『いじめ』であるかどうかを論ずるなどナンセンスもいいところです。

被害を受けたらどうすれば良いのか

前述のトゥギャりの中にもありますが実際に被害を受けたときに相談すべきはその性質から言って警察や人権擁護諸機関で間違いない…のですが、それらが被害の報告・届けを受けて具体的に何らかの行動をすぐに起こすかどうかはまた微妙なところでもあります。死亡生徒の父が大津署に三度被害届けを出しても不受理となったという経緯もようですから…

不受理の本当の理由はわかりませんがこういったところで門前払いを受けないように、被害の内容はノートにつづるなりなんなり、できるだけ具体的に日時付で記録しておくのが良いでしょう。

仮に警察が民事不介入の立場をとったとしてもこれが「民事ではなく刑事事件である(あるいはその可能性がある)」ということをはっきりさせておいたほうが良いからです。ノートの記録自体に証拠能力があるかどうかは別(それは司法が判断すればよい。被害者側がわざわざそれを引き下げる必要はない)として、何もないところでは警察も動きにくいでしょうから。

もう一つ方法があるとすればそれは「逃げる」ことです。不登校もそうだし転校もそう。犯罪行為に起因するこれらのことは決して被害者本人の恥ずべき行為ではなく身を守る(身心いずれの場合でも)ための当然の行為と認識すべきです。

「逃げたって何も解決しない!」「一度逃げたら逃げ癖がつく!」みたいなアフォな論調も一部にあるかもしれませんが、人を追い込んだところで解決にはなりません。

そもそも降りかかる火の粉を自分で振り払える人間ならばはじめから犯罪被害になどあわないのです。

日本の法律は復讐を認めておらず、また被害者が死亡したような事件において司法の量刑に被害者家族の処罰感情が考慮される事があっても法律それ自体は復讐刑という性質のものでもありません。

ありきたりな言い方ですが、加害生徒が今後司法で実刑を受けたとしても、何年かたったらお勤めから出てきてまたのうのうと生きていきます。死んだ少年が生き返るというものでもありません。

だから今まさに人間関係を苦に死にたいと思ってる少年少女(あるいは大人だっているかもしれない!)がもしいたら、そんなことは何の意味もないのでやめておきましょう。誰も救われません、あなたも家族も。逃げたって全然いいんだぜ。

教職員・保護者・児童生徒のコンセンサス

ふたたび繰り返しになりますが、総論としての『いじめ問題』と個別の事案は全く別物です。何らかの暴力・金銭要求・不当な中傷・誹謗は『いじめ』ではなくれっきとした犯罪行為であることを共通の認識として持つ事が大事です。またこれらも黙認することは犯罪の幇助である可能性も知っておくべきでしょう。つまり

  • 教職員も保護者もこれらの犯罪に類する行為が行われないよう事前に指導すべき立場であること
  • その努力の一方で不幸にも犯罪行為が行われたときは責任論を先行させるのではなく速やかにそれらの行為が停止されるべく加害者への注意(ときには命令)を行うこと
  • それでも止まない場合には警察等しかるべき機関に申告するのを阻まないこと
  • これらを共通の認識として教職員・保護者が認知していることをすべからく児童生徒に知らせること

によって犯罪行為の抑止と被害申告しやすい環境を作らないことにはいつまでたってもこのようなことは後を絶たないでしょう。

大津の事件はまさにこの「相談しても相手にされない」→「ほかに相談すべき相手がいない」→「孤立」→「死」という流れだったのではないでしょうか。

加害者の内面

加害者側の心情面について、いじめ総論としては家庭環境や人間関係などから加害者自身も内面に問題を抱えており、それを解決しなければいじめ問題はなくならない、といった指摘もありまたある程度的を得ている部分もあるとは思いますがそれが全てではない、少なくとも加害者たる必要条件ではないことも良く知っておくべきでしょう。

力の誇示は動物の本能として備わっているもので、群れの中で強い影響力を得よう、支配しようという欲求は、わずかであってもサルの縁戚たる我々人間誰にでもあるんじゃないでしょうか。

で、それを理性で押えるのが人間たる所以ですが特に若い世代、精神が未熟であれば理性より本能が勝つということも起こるべくして起こります(たまにそのまま大人になっちゃった困ったおじさんおばさんもしばしば目にしますが)。

またこのような自己顕示を複数の人間が見せるとき、より派手なパフォーマンスを見せようと攻撃しやすい力のないものをターゲットとすることもあるでしょう。

自己顕示したいもの同士が勝手に争ってくれれば良いものを力なき第三者をターゲットとしたため、自身は傷つくことなくよりターゲットへの攻撃がエスカレートするなどというのは想像に難くないはずです。

だから「加害者にもそれをするだけの理由はある」+「加害者にも人権がある」という延長で免罪されようというのはいささか虫が良すぎるような気がします。

仮に同情すべき理由があったとてそれは「お金がなくて食べるものも買えずひもじいので窃盗を働きました」が少なくとも法的に許されないということを思い出すべきです。しかもそこで失われるのは経済的損失などではなく人の命なのですから。

『いじめ問題』の根底にあるもの

大事に至る前に犯罪行為を止められなかった理由の一つに「失敗を許さない社会」というものもあるような気がします。

先に書いたように人間の本能、衝動に起因する問題の発生はある意味完全に防ぎがたい面もあります。いわゆる『いじめのない社会』が理想であるがゆえに、教職員サイドは問題が発生したことを知られたくないし、保護者サイドとしては問題発生を防げなかった教職員を責めたいという心情は大変よくわかります。

しかしながら一連の行為が早い段階で明るみに出て何らかの対応が出来ていれば人一人の命が救えたかもしれません。

『完全に欠けるところのない理想どおりの現実』などというものはあり得ないと知り、次善であっても無策よりはるかに良いということを理解すべきでしょう。

だから『いじめの発生件数』を『数字として管理』することは総体の把握に限って用いられるべきことであって教職員や学校・教育委員会の評価に当てはめることは必ずしも適切ではないでしょう。

ネット上の外野の反応

大津の事件に関しては私自身も当然外野の一人ですが、ネット上での取り上げられ方が熱を持ちすぎていて若干怖いなと感じております。もちろんネット独特のデフォルメーションが効いていることもありますがね。

一方でこれくらいの騒ぎにならないとなかなか警察も動かないという側面も垣間見え、これが良かったのか悪かったのか判断に悩むところでもあります。

四度目の被害届にしてようやく受理され刑事事件となった今、あとは司直の判断を待つのみでありますが、いささか勇み足であったデヴィ夫人のブログ(加害生徒や担任の実名を記載した記事を公開、のちに実名部分を削除訂正)の例にも見られるよう、義憤に駆られたからといってあまりやりすぎると本論とはなれたところで無意味な騒ぎになるので気をつけねばと思った次第です。

あと、一応私も子を持つ親の一人として当然気になるニュースですが人の振り見て我が振り直せで、自分の子が加害者にも被害者にもならぬよう日頃から意思疎通を図らねばならない感じたのと同時に、同じくらい自分の子どもの友達や周囲の児童生徒、そしてその親たちともコミュニケーションをとっていかなきゃいかんのかな、とも思いました。

なぜなら、このような『犯罪』はある日突然炎が燃え上がるのではなく、小さな火種から徐々に勢いを増していくのでしょうから。重大な事が起こってからでは遅いのです。

参考記事一覧

読むたび気分が悪くなるのでアレですが、一応関連記事のリンクだけ貼っておきます。ほかにも色々ありますが…

【大津いじめ自殺】テレビ朝日がスクープ / いじめに苦悩した生徒が教師に相談するが「そんなのどうでもいい 君が我慢すれば丸く収まる」と突き放す → その後自殺 | ロケットニュース24

大津市中学生自殺で担任教師にインターネット上で怒りの声「自殺した生徒にとって学校は地獄そのものだったろうな」 | ロケットニュース24

【いじめ自殺問題】大津市教育委員会に非難FAXがいっぱい届くので業務に支障がでるから被害届を検討 / 国民は怒り「保身しか頭にねぇのかよ」 | ロケットニュース24

【大津市中学生自殺事件】生徒が自殺した2011年に中学校と関係者は”生徒が学校に満足した”と信じられない自己評価!? 隠蔽体質と調査中止にネット大激怒 | ロケットニュース24

自殺の練習、校舎3階窓から身乗り出させる : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

加害者の少年達は他にもいじめをしていた/「週刊文春」報じる(トピックニュース) – livedoor ニュース

大津いじめ自殺 「息子は悪くない」加害者の母が撒いたビラ (女性自身) – Yahoo!ニュース

【いじめ自殺】亡くなった男子の担任教師の態度に国民が「本当にクズすぎる」と怒り / 記者に「んふぅふぅ~♪」と鼻歌まじりのゴキゲン対応か | ロケットニュース24

教育長はなぜ「家庭の問題」強調するのか 自殺生徒の父親は「責任逃れ」と激怒(J-CASTニュース) – livedoor ニュース

「大津イジメ自殺裁判」市長は和解、教育長は「生徒の家庭に問題」 (1/2) : J-CASTテレビウォッチ

大津いじめ 脅迫被害者として加害生徒ら聴取 滋賀県警(産経新聞) – livedoor ニュース

まとめ

ということで個別の被害について『いじめ』という言葉で大くくりにして論ずるのはもうやめましょう。それをやっているうちは『いじめ』はなくなりません。絶対に。

また、大事に至らないうちに子どもが痛みを打ち明けられるよう、教職員も保護者ももう少しだけ子どもを「観て」あげましょう。子どもの話を「聴いて」あげましょう。そういう安心できる環境を作ってあげましょう。自戒を込めて。

あと1990年代後半だったかにサッカー選手の前園がACかなんかの「いじめ、かっこ悪いよ」って言うCMがありましたが、ああいう無責任な放言が一番かっこ悪いと思います。別に前園が悪いわけじゃないけどね。ACのバーカ。うそです。こんなこと書いたからって、みんないじめないでね。じゃまた。

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