Amazonで大人気な激安謎ベイトリール『カストキング(KastKing) Royale Legend』を劇的に使えるリールに変えるチューニング方法を紹介するょ

釣り

ベイトタックル1年生のごろどくですどうも。お金がないので安物使ってます。安くてもDCなくても釣りはできます。だって釣れちゃいます。

ベイトリールライントラブルが付きまとうというイメージを持たれてる方も多いかもしれない。でも楽しいんですよ。ホント楽しい。釣れなくてもキャストしてるだけで楽しい。いやホントは釣れた方がいい。

安くてみんな一度は気になっているベイトリールと言えばカストキングの Royale Legend。コスパのせいかAmazonでやたら評価の高いやつです。私も釣られて1台買っちゃいました。もはや釣ってんだか釣られてるんだかわからない。

DC搭載のハイエンド機と比べるべくもないですが、安くてもチューニング次第で十分戦力になるし、トラブルだって調整次第でかなり防げるんですよ、と言うのが今回のテーマ。

KastKing Royale Legend

Royale Legendの仕様など

Royale Legendの仕様を簡単に記しておきます。

KastKing Royale Legend

  • ブレーキシステム:メカニカル・マグネット・摩擦
  • ギア比:7.0:1
  • 最大巻上長(ハンドル1回転):80cm
  • 最大ドラグ力8kg
  • 自重:213g
  • ボール(ローラー)ベアリング:11/1

実売5,000円以下です。めっちゃ安い。シマノのソルティワンやバスワンより安い。

えー、Amazonの製品仕様には遠心ブレーキと書いてますが遠心ブレーキは搭載してません。ただの摩擦ブレーキです。

KastKing Royale Legend

サイドプレート外すと中央付近にオレンジ色のノッチが4つあります。内側に動かすとスプールシャフトを押さえつける爪が出てきます。これの数でシャフトの摩擦抵抗を調整するという感じです。

あまり見かけない構造なので、あまりこれはあてにしないようにしましょう…今回はブレーキ調整はあくまでマグネットブレーキとメカニカルブレーキという方向で。

ギヤ比は6.3:1に比べるとちょっと高めのギヤ比、とは言えめっちゃハイギヤと言うほどではありません。スプールはテーパー付きの深溝、実際にPEライン巻いてみたら1.5号で200m程巻けます。っていうか巻けました。

PE号数は目安(規格上はあくまで引張強度で規定)なのでブランド・モデルで相当に差異があります。参考までに私が巻いてみたのがコチラ。

ドラグの最大値は8kgとなっています。実用でたぶん4~5kgは行ける感じ。よっぽどデカい青物でも乗らない限り十分でしょう。

ベアリング11個のうち6個はなんとハンドルグリップシャフト、ですので実際メカ的な部分では5個と言うことになりますね。スプールシャフト両端、ハンドルメインシャフト両端、それとワンウェイで。

実売5,000円未満のベイトリールとしてはスペック上は十分に見えます。が、不満な点がないわけではありません。実際に使ってみて特に感じるのが

  • マグネットブレーキの効きが最大にしても弱め
  • メカニカルブレーキの調整が線形ではない

の2点です。他にもボディがグロス(光沢)仕上げで安っぽい、傷が目立つのもイマイチですが見た目のことは今回は割愛。

なおバリ残りやケーシングのがたつき・歪みなど実釣に関わる不具合は確認できなかったので、そのあたりについては安心していいんじゃないでしょうか。

以下、ストレスなくこのリールを使えるようチューニングする方法、魔改造しないでお手軽で効果のある方法を紹介していきたいと思います。

マグネットブレーキ

マグネットブレーキについては2通りの調整方法があります。マグネットホルダの高さを変える方法、それとマグネット自身を交換する方法です。

マグネットホルダの高さ変更

マグネットブレーキはスプールとマグネットの距離で効きの強さが変わります。近ければ強く、離れれば弱く。実際にマグネットブレーキの調整つまみを回すとスプールシャフト方向にマグネットホルダが移動するのが分かると思います。

なので、ホルダを全体にスプール側にシフトすればブレーキの効きが良くなるよねって発想。

KastKing Royale Legend

はい、ホルダと支持バネの間に薄っぺらいワッシャーを挟みました。

KastKing Royale Legend

作業的にはホルダのビスをいったん外してワッシャーを入れて再び取り付けるだけ。簡単です。

私が使ったのはミニ四駆の余ってたワッシャー使ったのでM2の平座金、ということは厚みで0.3mmくらいしかないんですが、クラッチ切って指でスプールスピンさせても違いが判るくらいの効果はあります。

この方法だと必要に応じ、スプールにぶつからない範囲で複数枚重ねなども可能です。

マグネット交換

もっと単純にブレーキマグネットを強力なものに交換してしまおう、という発想。

もともと製品についてるのがφ5mm×2mmの丸型ネオジム磁石が7個、これがS極N極交互に並んでます。これをφ5mm×3mmに交換していきます。このサイズのネオジム磁石はAmazonでも売ってますし

もっと簡単に手に入れるには

KastKing Royale Legend

ダイソーにこんなマグネットピンが売ってまして、この中身が

KastKing Royale Legend

φ5mm×3mmのネオジム磁石となっております。ピンのガワが結構硬めのプラスチックなので

KastKing Royale Legend

ニッパー等でガワを割って(破片が目に飛んでこないよう注意)中身を取り出します。ダイソーのこのピンは6個1セットなので2セット(200円+税)必要となります。

さてリール側のマグネットの取り外し方法。これはホルダに接着されているわけではなく、ホルダ裏の鉄板に磁力で吸着しているだけですので、余ったマグネットピンを

KastKing Royale Legend

ホルダ上のどれか1個引き合うやつに磁石にくっつけて

KastKing Royale Legend

引っ張り出すと簡単に取れます。同じ極のマグネットが1個とびに配置されてるので同様に取り外し、その取りはずしたマグネットを重ねて

KastKing Royale Legend

残りの逆向きの極の磁石を取り外すとホルダーが空っぽになります。

KastKing Royale Legend

で、新たにφ5mm×3mmのマグネットをS極N極交互に入れていきます。

KastKing Royale Legend

完了です。ホルダの厚みが2mmちょうどなので、交換後は1mmほど磁石が飛び出す形になりますが、マグネットブレーキMAXでもスプールには干渉しないので大丈夫。

前述のワッシャーかさ上げと併用でさらにブレーキ力を上げることもできます。ただ2枚重ねるとさすがにスプールに干渉するので1枚までですけども。

私は磁石交換とワッシャー1枚併用にしてます。かなりガチガチに効くのでスプールの初期加速は相当抑えられます。ソルトで重いルアーぶん投げたいので…

磁石も必ずしも全数交換する必要もないし、川でバスやらトラウトなどやるんならもっと軽めのチューンでもいいと思いますし、各自使用方法に応じて調整していただければ。

メカニカルブレーキ(キャスコン)

このリールのメカニカルブレーキは相当にクセがあります。ブレーキノブ(キャップ)まわして調整すると全然効かないところから急に強く効きだすんですわ。

なおかつその変わり目のポイントでキャップが本体のOリングに掛かっていない、というのが致命的で、シビアなとこちょうどよく調整しておいても何度かキャストしているうちに動いてくるってきてしまうんです。

メカニカルブレーキは仕組み的には

KastKing Royale Legend

キャップ内のプレッシャープレート(写真キャップ内の丸い黄色い物体)がスプールシャフトを軸方向に押すことで摩擦抵抗を与えるわけ。

で、このリールはキャップが本体のOリングに掛かる前にプレッシャープレートがシャフトに接触してしまうのでこのような不具合が出てしまうのです。解決方法としては

KastKing Royale Legend

スプールシャフト端を削って短くすることが考えられます。が、細軸で加工時に曲げて芯振れしてしまっては本末転倒ですし、金属なので均等に面取りとかするのは旋盤とか使わないとなかなか難しいです。

ですのでプレッシャープレートの方を加工して厚みを減らすことにしましょう。プレートは

KastKing Royale Legend

爪楊枝などでひっかければ簡単に取り出せます。厚みは新品で2mm。なんか1mmを2枚張り合わせてるようですね。樹脂製です。

裏表はシャフト端の圧痕で判別できます。このプレートの裏側をを平棒ヤスリで

KastKing Royale Legend

シャカシャカ削っていきます。作業としてはそれだけです。テーパーにならないように時々方向変えると平均して同じ厚みに削れると思います。

ちょっとずつ削って組みなおして確認したところ0.5mmほど削って仕上がり1.5mm程度にすると、ブレーキの効き初めでもノブがしっかりOリングに掛かるようになりました。

KastKing Royale Legend

これでスプールのガタがギリ無くなる状態。ね、ノブと本体の間Oリング見えないでしょ?

なおかつプレッシャープレートが減ってきたときの締め代も確保できてます。仕上げ終わって組み直すときは

KastKing Royale Legend

キャップ内にグリース充填するのをお忘れなく。これでかなりノブの微少な調整が可能となります。

ブレーキ調整はどう使い分けるか?

チューンの本論とちょっと離れますが、アングラーの間でもしばしば議論となるベイトリールのブレーキの調整方法について、機構的な観点から私の理解しうる限り簡単に説明して見たいと思います。

マグネットブレーキまたは遠心ブレーキと、メカニカルブレーキはブレーキ力の発生機構がまったく異なります。

マグネットブレーキの基本原理は電磁誘導です。磁石によって作られる磁界の間を回転通過する物体には渦電流が発生します。この時渦電流が通過しようとするスプールは電気的な抵抗として働き、熱としてエネルギーを外部に放出します。

スプールが非磁性体のアルミ合金でもブレーキ力が働くのはこのためです。けっして磁石の磁力でくっつこうとしてブレーキがかかっているわけではないですよん。

磁界を通過する回転体の回転速度が速いほど発生する渦電流も大きくなります。ですから無回転ではブレーキ力ゼロ、低速回転ではブレーキが弱く高回転域ではブレーキが強くかかります。たまーに「マグネットブレーキは一様なブレーキ力」って説明を見かけますがとんでもない眉唾ですので信じないように…

遠心力で摩擦シューが飛出し、早い回転ほどドラムへの接触力が強くかかる遠心ブレーキも同様に回転速度に依存するブレーキです。

一方、メカニカルブレーキはシャフト端面から軸方向に対しノブ(と言うかその中のプレッシャープレート)の押込みで静的に押し付け力を発生させるものなので、回転数に依存することなく常時ほぼ一様な摩擦力が発生しています(厳密にいえば静摩擦係数と動摩擦係数は微妙に異なるので起動の瞬間とそれ以降は異なるんですが面倒くさい話になるので割愛)。

Royale Legendに搭載されているノッチ型の摩擦ブレーキも同様のことが言えるので、メカニカルブレーキの補助的な意味合いで使うのが正しいんだろうなーと思います。

以上のことから、キャストの瞬間~ごく初期、つまり回転数がゼロから一気に最高回転数に到達するときにバックラッシュが発生する場合、回転速度が上がり過ぎているわけですから、これを頭打ちさせてラインの送り出し量とスプールの回転を合わせたいのでマグネットブレーキを強い側に調整するといい、と言うことがわかりますね。

同じく初期のタイミングで、ガイド上のライントラブルとは考えられない高切れが発生した、あるいは最初からやたら強いテンションが掛かって全然距離に伸びがない場合は、回転の上がらなさが抵抗になっているわけですから、逆にマグネットブレーキを弱めてルアー(等の投てき質量、仕掛けオモリなど)が楽にスプールを引っ張りまわせるようにしてやります。

メカニカルブレーキは、触らない限りほぼ一定のブレーキ力が発生していますから、キャスト後の飛行後半~着水までの、投てきされたルアー等が飛行するエネルギーを失っていくとき、つまりルアー等がラインを引っ張れなくなってきたときほど、そのブレーキの影響度が大きくなります。

ですから着水でバックラッシュが大きめに出るときはメカニカルブレーキをちょっとずつ強めに、逆にあと数メートル飛距離に伸びが欲しいときはメカニカルブレーキを緩める方向で考えると良いと思います。

あとメカニカルブレーキについては、メタルジグなど沈めるものは、投げずにクラッチ切ったときに自重で落ちる速度が遅いならテンションフォールにならざるを得ないし、逆にメカユルユルならラインテンションはあまりかからずフリーで落ちてく感じになると思いますので、フォールで喰わすかロッドアクション付けたときに喰わすかでも考え方が異なりますのでそのあたりも考慮に入れましょう。

このように理解すると、まずメカニカルブレーキでルアーが自重でゆっくり~スーッと落ちるように調整、その後マグネットブレーキMAXからちょっとずつ緩めてキャスト感を調整していく…というよく聞く話はある程度妥当性があるのかな、と思います。もちろんマグネットが決まるまでは軽くキャストしないとダメですけど。

さらにここから調整幅もたせるとかキャストのコントロール云々ということになるとあとはサミング技術をいかに伸ばすかって話で、私の技術と言えば…おっと、誰か来たようだ。

スプール

最初に上げた問題点とは別に、またRoyale Legend固有の問題でもないんですが、あまり語られないベイトリールにおけるPEライン巻き始めの話。

いや、今年からベイトタックル使い始めてアレなんですがやってるうちに気づきました。スプール上でPEラインが巻いた塊ごと滑ってます。最初気のせいかと思ったんですけど間違いなく滑ってます。

なぜ気づいたかって?絶対に1度も放出してない下層のラインが膨らんでるからですよ。で、膨らむとキャスト後半とかでも普通に下糸噛みこみとか起こるんですよ。何度もキャストし、遠方で根掛り外した後の再キャストはてきめんにトラブル発生。

なぜこんなことが起こるのかしばらく理解できなかったんですが、要はラインの巻き始め端がスプールに固定してない(数回巻き付けてライン同士でノットしてる)為。スプールの回転が高いと遠心力でスプール上のラインが外へ外へ逃げようとし、始端が固定されてないのでそれに引っ張られて滑って膨らんじゃってるのです。

最初のうちは極めてわずかな滑りなんでしょうが、弛みが蓄積するとスプール上のラインの見かけ直径もだんだん大きくなるので、その滑り・ふくらみ量はキャスト回数に比例と言うよりは等比級数的に大きくなっていきます。で、上糸が入る隙間ができるとトラブる、と。

ナイロンやフロロカーボンならスプール表面の穴があればそこに結んでしまってもいいんでしょうけど、PEだとたぶん金属エッジで切れちゃいますね。

ですのでスプール表面の摩擦係数をガッチリ上げる方向で。

KastKing Royale Legend

てれれれってれー!シールテープーーーー!

水道管などのねじ接合に使う止水テープね。ホームセンターで1巻数十円で売ってると思います。これを

KastKing Royale Legend

ラインの巻き方向と同じ向きで何層か巻き付けます。4~5層くらいの厚みでも回転芯振れに影響するほどでもないはずですので、直接PEラインが接触した時に多少めり込んで、しっかり滑り止めするのが良いと思います。あとは

KastKing Royale Legend

しっかりテンションかけて巻いていけばおK。かなり下糸の膨らみを防止できます。

まとめ

言っても激安リールなのであまり期待しないでノーマルでそれなりに使ってる方もいらっしゃると思います。今回紹介したチューンで劇的に使い勝手が向上すると思いますのでぜひ試していただきたいですマジで。面倒な加工しないでもいいですし、200~300円もあればできることですからね。

特に最後のスプールにPE巻き始める話は意外と気づいていない人多いと思います。廉価なモデルだから起こることではありません、ベイトリールでPE使っているケース全般に言えることです。

ゴリ巻きしてないのになんか糸噛みするなーと言う時はキャスト直後に残ってる下糸見てみてください。放出してないはずのラインがよれてたり、巻きに偏りが出ていたら同じ現象が発生しているはずです。

そして使い慣れたころにはサミングにも慣れているはず。はず…そう、私のサミング技術と言えば…

おっと、まだ誰か来たようだ、この話はまた今度だ。んじゃまた。

コメント

  1. 近藤 保 より:

    今度旭川に行きますが美味しいお蕎麦屋さんを教えて下さい。

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